【カノンコードのトゥーファイブアレンジ】
知識としてトゥーファイブを知っておくと、「あ、この部分トゥーファイブ使ってるな」とかニヤニヤできます。でもそれだけじゃもったいない。使い方を理解すれば、既存曲をアレンジしていくことも可能です。
前回、「晴れ晴れユカイ」(キーF)のコード進行でトゥーファイブが使われていることを説明しました。そして、この進行はカノンコードのトゥーファイブアレンジであると言われています。「ハナミズキ」のサビもカノンコードのトゥーファイブアレンジですね。(カノンコードの詳細はこちら)
では逆に、そのままカノンコードで弾いてみたらどうなるか?トゥーファイブを使用せずに弾いたものが以下です。
アル晴レタ 日ノコト 魔法以上の ユカイが 限りなく
F CM7 Dm7 Am7 B♭
すっきりして聞きやすい感じがあると思います。そして、これをトゥーファイブアレンジしたものが以下です。(原曲はこっちのコード)
アル晴レタ 日ノコ ト 魔法以上の ユカ イが 限りなく
F Em7♭5 A7 Dm7 Cm7 F7 B♭
さらに細かく見てみましょう。
日ノコト → 日ノコ ト
CM7 Em7♭5 A7
1,2,3,4 1,2, 3,4 (拍)
このように、コードを2つに分解してDm7に解決していることがわかります。
リズムも「CM7を4拍→Em7♭5を2拍、A7を2拍」に分解されています。次のB♭への解決に関しても同じです。カノンコードをこのようにトゥーファイブアレンジしていたのです。
これを応用すれば他の曲のカノンコードでもアレンジ可能になります。
・ⅠM→ ⅤM →Ⅵm→ Ⅲm →ⅣM→ ⅠM →ⅣM→ⅤM
→ⅠM→Ⅶm7♭5→Ⅲ7→Ⅵm→Ⅴm→Ⅰ7→ⅣM→Ⅲm→Ⅵ7→ⅡM→ Ⅴ7
青がアレンジした部分です。最後の部分もⅡM→ Ⅴ7に進行を置き換えて、ⅠMに解決できるような進行にしています。カノンコードの曲(もちろん晴れ晴れユカイ以外でも)を見つけたら、一度上の進行を試してください。トゥーファイブの練習にもなりますし、アレンジした場合どのように聞こえるのか体感できます。
【トゥーファイブ進行を挟み込む!】
これがトゥーファイブアレンジの考え方です。解決先のコードに対して、トゥーファイブ進行をぶち込む!これだけです。今回は1つのコードを2つに分解しましたが、分解せずにトゥーファイブ進行になるように置き換えるだけでもアリです。
例えば、「ⅣM→Ⅴ7→ⅠM」という進行を見つけたら、最初のⅣを置き換えて「Ⅱm→Ⅴ7→ⅠM」とすることでトゥーファイブアレンジになります。このようにアレンジした場合は、よりⅠMが強調されて聞こえやすくなります。
その他にも王道進行のコードに対しては、以下のように置き換えてみたり、
・ ⅣM→ⅤM→ Ⅲm →Ⅵm
→ ⅣM→ⅤM→Ⅶm7♭5→Ⅲ7→Ⅵm
小室進行に対しては
・ Ⅵm→ⅣM→ ⅤM →ⅠM
→Ⅵm→ⅣM→Ⅱm→Ⅴ7→ⅠM
こんな感じにトゥーファイブを挟んだりしても良いかと思います。もちろん上で紹介した以外の、進行にも全然使えますよ!例えば、解決先のコードをⅡmに置き換えて、その前にトゥーファイブ進行を挟み込むと凄くジャズィな響きがしたりします。
※例
・ⅠM→Ⅲm→Ⅵm→ Ⅴ7 →ⅣM7
→ⅠM→Ⅲm→Ⅵm→Ⅲ7→Ⅵ7→Ⅱm
【最後は自分の耳で判断】
上で紹介している者はほんの一例で、実際にトゥーファイブアレンジしようと思えば、ほぼ無限に行うことが出来ます。ただ、そのアレンジが曲と合っているかは自分の耳で判断しなければいけません。
これまでの経験から言えば、解決先のコードが「Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ、Ⅵ」の場合は上手くいきやすいかな?という感じです。でもゴリゴリのジャズアレンジ等にする場合は、それ以外のコードにトゥーファイブで解決するパターンでも使えると思います。
その他にも、トゥーファイブが多すぎてくどいと感じた場合は、一回目のサビは普通に弾いて、2回目にトゥーファイブアレンジを入れるなど、思いつく限り自由に行ってください。アレンジは耳で聞いて正解ならばそれで良いので、いろいろと試して欲しいところです!